アルブチンでシミは消せないってホント?アルブチンの美白効果をわかりやすく解説

アルブチンは美白有効成分ですが、シミを消す作用はありません。というとビックリする人もいるかもしれませんが、そもそも厚生労働省が定める「美白有効成分」とは、「メラニンの生成を抑え、シミやそばかすを防ぐ」ものがほとんど。美白有効成分だからといって「シミを消す」ものとは決まっていないのです。

「じゃあアルブチンで白肌になれないんだ……」と思ったあなた!ガッカリするのは早いです。アルブチンは確かに厚生労働省に認められた美白有効成分。うっかり日焼けをしてしまった時にこそ、その美白効果を発揮するのです!

たとえば日焼け止めを塗っていても、塗り残しがあったり汗で流れ落ちてしまったりして、日焼けしてしまうことってありますよね。アルブチンは紫外線を受けた肌にシミのもとを作らせないようにする働きがあるので、シミが作られるのを未然に防ぐことができるのです。

紫外線は雨の日も寒い冬の日も降り注いでいます。アルブチンはシミから肌を守ってくれるとても頼もしい美白有効成分なのです。

編集部コメント
アルブチンは1989年に医薬部外品美白有効成分として承認された、定番にして王道の美白成分です。シミ消し成分として人気のハイドロキノンは肌への刺激が強いのですが、アルブチンは低刺激で敏感肌でも使えます。他にもターンオーバーを促してメラニンを排出することでシミを薄くする美白成分もあるので、アルブチンと一緒に他の美白成分を組み合わせると、より効果的です。

アルブチンの優れた美白作用とは?美白化粧品によく使われている4つの理由

アルブチンにシミを消す作用はありませんが、美白化粧品に配合される美白成分としては、もっとも人気が高い成分のひとつです。なぜアルブチンは多くの化粧品に採用されているのでしょうか?その理由は4つあります。

歴史と実績がある

アルブチンが美白有効成分として認められたのは1989年のことです。以来、多くの美白化粧品に採用されてきており、昔から日本人の白肌に貢献してきた実績があります。

高い安全性

アルブチンは美白効果が高いといわれるハイドロキノンから作られた成分です。刺激が強く肌荒れしてしまう人も少なくなかったハイドロキノンの欠点をカバーしており、白斑などの重い副作用の報告もほとんどありません。

敏感肌でも使える低刺激

一般的に美白成分は肌への刺激が強く、敏感肌の人は美白したくてもなかなか手が出せない、という問題がありました。アルブチンは非常に低刺激で、肌荒れを起こしてしまう可能性はかなり少ないです。そのため、敏感肌でも使える美白成分として人気です。(ただし、人によっては合わないこともあります。)

価格が手ごろなものが多い

アルブチンは他の美白成分より低コストな傾向があります。美白化粧品は10,000円を超える高価なものもたくさんありますが、プチプラ美白コスメにはアルブチンがは配合されたものがたくさんあります。スキンケア化粧品は長く使い続けるものなので、続けやすいことも大きな魅力です。

編集部コメント
美白成分によっては、肌の色が白く抜けてしまう「白斑」という症状がおこることがあります。特にシミを薄くできるといわれるハイドロキノンにはその懸念があり、高濃度のものを化粧品に配合することはできません。アルブチンで白斑の症状が出たという報告はほとんどないので、高い安全性からも人気がある成分です。

【図解】アルブチンで肌が白くなるメカニズムをわかりやすく解説

「紫外線を浴びるとシミになる」といわれますが、紫外線がそのままシミになるわけではありません。紫外線を浴びてからシミができるまでにはさまざまな過程があります。アルブチンはその過程を阻害するので、シミを防ぐことができるといわれています。

 

まず、シミができるまでの過程を追ってみましょう。

紫外線を浴びると活性酸素が発生します。すると「メラニンを作りなさい」という指令が伝達されます。メラノサイトではこの指令を受けて、シミのもとである「チロシン」が「チロシナーゼ酵素」と結びついてシミになるための活動を開始します。

やがてチロシナーゼ酵素と結びついたチロシンは、ドーパ⇒ドーパキノンと姿を変え、最後には悪名高いメラニンになります。この黒いメラニンがシミのもとであることはよく知られていますね。

紫外線⇒活性酸素⇒チロシン+チロシナーゼ酵素⇒ドーパ⇒ドーパキノン⇒メラニン

アルブチンはこの過程の中で、チロシナーゼ酵素の活性化を阻害する作用があります。シミのもとであるチロシンはチロシナーゼ酵素の助けがないとドーパに変化できません。つまり、早い段階でシミを食い止めることができるというわけです。

多くの美白成分はこの過程にストップをかける働きを持っています。そのため、アルブチンだけを使うより、他の美白成分と組み合わせることでより高い美白効果が期待できます。

アルブチンは実は2種類あるって知ってた?美白化粧品を選ぶために知っておきたいポイント

アルブチンを開発したのは、あの資生堂です。その後さらに進化したアルブチンも生まれ、現在では「α-アルブチン」「β-アルブチン」の2種類のアルブチンが存在します。

化粧品の成分表示方法としては「α-アルブチン」「β-アルブチン」「アルブチン」の3表記が考えられますが、「α-アルブチン」は「β-アルブチン」より美白効果が高いため、「α-アルブチン」と表示し、高い美白効果をアピールすることが多いようです。「アルブチン」と表記されている場合は「β-アルブチン」であると考えていいかもしれません。

α-アルブチン

2002年に江崎グリコが開発した成分です。グリコというと甘くて美味しいお菓子で有名ですが、実はアルブチンはハイドロキノンにブドウ糖を結合させて作られたものです。

別名「ハイドロキノン誘導体」とも呼ばれており、「β-アルブチン」の10倍の美白効果があるといわれています。「β-アルブチン」と比べると価格は高めです。

β-アルブチン

資生堂が開発した、元祖アルブチンです。今のような美白ブームが起こる前の1983年に新規美白薬剤開発チームを結成し、それから7年後にアルブチンの薬事許可を取得するという成功をおさめました。

価格が安いのでプチプラコスメにもよく配合されており、美白化粧品にはなくてはならない成分のひとつです。

アルブチン以外の美白成分って何があるの?アルブチンとの違いも徹底比較

美白成分には多くの種類がありますが、それぞれに働き方が違います。アルブチン以外にも複数の美白成分が入った化粧品も多いので、ぜひ他の美白成分にも目を向けてみてくださいね。

ハイドロキノン

できてしまったシミを薄くできるといわれる成分です。イチゴやコケモモなどの自然界に存在するものにも含まれる成分で、還元作用があります。肌への刺激が強く、光や熱に弱いという弱点もあり、配合濃度や取り扱いには注意が必要です。

ビタミンC

メラニンの還元やチロシナーゼの活性阻害、メラニンの生成抑制などの作用があり、美肌作りに良い成分の代表格です。化粧品には、肌に浸透しやすく、より効果を発揮しやすく改良した「ビタミンC誘導体」が使われることが多いです。

4MSK

資生堂が開発した美白有効成分です。化粧品には「4-メトキシサリチル酸カリウム塩」と表示されていることもあります。チロシナーゼ酵素の活性を抑え、メラニンの生成を抑制する作用があります。また、角質に溜まったメラニンの排出をサポートする働きもあります。

プラセンタ

胎盤から抽出された成分です。化粧品には豚由来のものが使われることが多いようです。メラニンの生成を抑制する働きが期待できます。

m-トラネキサム酸

もともと抗炎症剤として使われていたトラネキサム酸を美白用に改良した成分です。メラニンの生成指令を阻害する作用があります。

ルシノール

もみの木に含まれる成分から生まれた美白成分です。化粧品には「4-n-ブチルレゾルシノール」と表示されていることもあります。チロシナーゼ酵素の活性を阻害する作用があります。

リノール酸S

サフラワー油などの植物油由来の成分です。できてしまったチロシナーゼ酵素を分解したり、成熟を阻害したりする働きがあります。

カモミラET

ハーブティーなどでおなじみのカモミール由来の成分です。メラニン生成の指令を阻害することから、早い段階でシミにストップをかけます。

アルブチンの美白効果を最大限に活かして白肌を手に入れよう!

アルブチンはできてしまったシミを消すことはできませんが、これからシミができるのを防ぐ成分。その美白効果は安全性が高く、安心して長く使い続けられることから、多くの化粧品に配合されています。

また、美白化粧品の中ではコストが低めなのも魅力的なポイント。白肌になりたい人は、日焼け止めで紫外線予防をしつつ、わずかな隙に入り込む紫外線ダメージをブロックするアルブチンが入った化粧品で毎日ケアしていきましょう。うっかり日焼けしてしまった時やシミ・そばかすを増やしたくない人にも心強い成分ですよ♪