シミやくすみのない肌を目指すならトラネキサム酸に頼るべし!なぜ美白できるのか詳しく解説
いつの間にか顔にシミができていてショック……ということはありませんか?そうなると美白成分が入った美容液やサプリなどが気になってきますよね。なかでもトラネキサム酸は美白効果が高い成分として知られています。顔だけでなく体の不調を治す薬に含まれていたりと、割とメジャーな成分でもあります。塗っても良し、飲んでも効く!という使い勝手の良さも◎。今回はトラネキサム酸でなぜシミ予防ができるのか、そのしくみを詳しく探ってみました。もうシミを作らせない色白肌をつくるメソッドもご紹介しています。これで夏の紫外線ダメージもこわくありません♪
トラネキサム酸はシミ予防に効果的♪抗炎症作用で体に良い作用も
トラネキサム酸は、もとは1962年に日本で生まれた医薬品です。止血剤として効果を上げてきましたが、美白効果も認められると資生堂が開発を促進。2002年には医薬部外品として認められ、今なお研究が進められています。そんなトラネキサム酸の効果を、ひとつずつ見ていきましょう。
できる前にシミをブロック!お肌にやさしく美白できる理由とは
トラネキサム酸は、肌にシミを作り出す「プラスミン」や「プロスタグランジン」のはたらきを抑えます。この2つはメラノサイト(色素細胞)を活発にする因子で、そのままにしておくとメラニン色素が発生。紫外線他、様々な要因を受ける度に分泌され、最終的にはシミになってしまいます。一方でトラネキサム酸はアミノ酸の一種。アミノ酸、とは肌を作るタンパク質と同じもので、人工で合成されたものとはいえ肌になじみやすくできています。メラノサイトからの、シミをつくる!という情報(活性因子)を遮断させることができるため、シミの素をつくらせません。
- (1)プラスミン等がシミをつくる情報を伝える
- (2)メラノサイトまで届くとチロシンというアミノ酸ができる
- (3)チロシンがチロシナーゼという酵素により黒く変化する
- (4)メラニン色素ができ、シミになる といった動きがみられるそう。
以上の情報から、トラネキサム酸はすでにできてしまったシミよりも、新たにシミを作らせない効果のほうが高いといえます。ただし次に語られる特殊なシミに用いた場合は、一定の改善効果が見られるそう。
肝斑(かんぱん)にも効果大。飲み薬で頬の茶色いシミを薄くする
肝斑かなぁ?と思うようなシミが。トラネキサム酸の出番ですかね。
— ヨチコ (@110515245) 2019年7月7日
トラネキサム酸は、肝斑の治療によく使われています。肝斑とは薄茶色に広がるシミのことで、頬骨部分、額、口の周りに左右対称に現れます。多くは30代以降の女性に見られ、普通のシミと見分けがつかないことも。原因は紫外線や肌をこするといった摩擦の他、女性ホルモンも関わっています。濃くなるピークは妊娠後期、更年期頃。閉経を迎えると自然と治る人も多いようです。しかしケアをしないと濃くなっていく傾向がみられることから、何かしらの対策は必要!ですよね。皮膚科で処方される飲み薬でトラネキサム酸を摂取する、またはビタミンCなどと一緒に配合されたサプリを飲んでみるのも良いと思います。
(参考文献:肝斑に対するトラネキサム酸療法/J-STAGE)
歯磨き粉にも入ってる?トラネキサム酸は口の中の炎症にも効く!
もともとは医薬品として開発されたトラネキサム酸。血を固める成分であるフィブリンという物質が分解されないようはたらき、止血剤として手術時や過多月経の調整などで使われてきました。身近な医薬部外品の中にも多く見られます。例えば歯肉炎、歯周病などを予防する歯磨き粉など。またフィブリンを分解する酵素がプラスミンであり、炎症を起こさせるのは口の中でも同じ。その際トラネキサム酸は、抗プラスミン効果で口内炎をやわらげたり、喉の腫れ、痛みを軽減させます。血液があるところでは全般的に炎症を抑えられることから、湿疹やじん麻疹、アレルギーに対しても抑制効果を上げています。
シミができない肌をキープ!日焼け予防などケア方法を多角的リサーチ
シミを引き起こすメラニンですが、発生しても通常は自然に消えていくものです。ところがそのまま沈着しがちなのが悩みの種。原因はメラニン色素が増えすぎること&肌のターンオーバーの乱れなど。トラネキサム酸を使いながら、メラニンをためない方法を身に着ければ、シミができるのをぐっと抑えられそうです!
365日紫外線を避ける!日焼け止めクリームを上手に使おう
シミの発生源は紫外線、というのはよく知られています。しかしその他にも、しわ、たるみ、といった肌細胞を壊す原因にも。なんと肌老化の原因の8割が紫外線ダメージといわれており、まず日焼け予防をすることが第一目的になりそうです。
紫外線は種類によって、肌に与えるダメージは分かれます。例えば波長の長いA波は肌の奥まで達して、コラーゲンを破壊。弾力やハリ、ツヤがなくなってしわやたるみを招きます。一方でシミを作り出すのがB波。日焼けによって肌が赤くなり、炎症を起こすのもB波の影響です。肌細胞のDNAを壊したり、皮膚がんへの影響も考えられています。
紫外線はシミ・シワ・たるみのもと。
— サク@シミ・シワ・たるみなくしたい! (@sa_ku_39_39) 2019年7月9日
徹底的にガードしよう。#紫外線 #肌シミ #シワ
pic.twitter.com/8DqPhsrPAN
日焼け止めはSPFが高いものを塗れば大丈夫!と思いがちですが、汗や皮脂で落ちてしまえば効果は薄くなってしまいます。朝、一度塗っただけで外を歩き回れば、2時間後には効果がだいぶ下がっていることに。そうならないためには、こまめに日焼け止めをつけなおす必要があります。メイクと混ざらないように塗るのは難しいので、
- 一度パフの上に日焼け止めを出す
- 肌の表面をやさしくなぞるようにつけなおす
といった大胆さも必要です。その際にファンデーションも落ちてしまったらそのままぬぐうようにして、後でパウダーなどでカバー。カバー力のあるファンデを使っている場合は、メイクの上から使えるUVスプレーなどはおすすめです。
ただし顔全体にまんべんなく吹き付けることと、やはり1日に何度か使用したほうが効果が高いようです。
正しいクレンジングと肌ケアでシミの素を素早く排出
普段行っている肌ケアが、逆に肌ダメージになっていたとしたら……。少しピンと来ない部分もありますが、長年の積み重ねで実際にシミが残りやすい肌になっているかも!。例えばメラニン色素は、肌の奥で作られた後、ターンオーバーによって角質層まで押し上げられ、自然にはがれていきます。ところがそのまま残ってしまう場合、肌サイクルが乱れている、と考えられるのです。
いつも水分量がたっぷりで、老廃物が流れやすい肌を保つには、日ごろの洗顔の仕方、スキンケア用品の使い方が大事です。まず顔を洗う際にはゴシゴシこすらず、泡で汚れを落としましょう。タオルで拭いた後につっぱる感覚がない洗顔料が自分の肌に合う種類です。その後すぐに化粧水などで保湿をして、最後にクリームでフタをします。なぜ肌をこすってはいけないかというと、摩擦はシミや肝斑の原因にもなり、角質層がはがれてしまうため。肌表面が毛羽立ち、隙間から紫外線が通りやすくなってしまいます。しかし角質がたまりすぎてもシミが残りやすくなるため、その際はピーリングなどでやさしく角質をはがして角質ケアをしましょう。
血流を上げるとシミが流れる?内側から肌活性して美白
肌の再生力が衰えてしまう一番の原因は加齢です。それでも女性全般にいえる血液量の不足を減らし、血流を良くすることで肌に栄養を与えることができます。
そもそも肌が生まれ変わるベースは、表皮とその下の真皮の境目にある表皮幹細胞から。そこに基底細胞が生まれ、保湿成分などをたくわえながらじょじょに上に押しあがっていきます。真皮ではコラーゲン、エラスチンといった弾力を保つ細胞が生まれ、分解という流れを繰り返します。すなわち、すべての肌細胞が順調に作られて機能していることが美しい肌を作る基本といえそうですね。そんな元気な肌を生み出すには栄養をきちんと肌細胞まで送り届けなければいけません。そしてそれには血流を良くすることが大事、ということにつながってきます。
便秘はやはりくすみの元。腸のはたらきを良くしてモチ肌に
便秘が解消されると肌の調子が良くなります。これは腸内の老廃物をためこまないことで、腸壁から伸びている血管に栄養を送りやすくなるため。肌代謝が良くなるだけでなく、太りにくくなったり、免疫力アップと良いことだらけです。便秘予防には日ごろから食物繊維などは多く摂るようにしましょう。しかしヨーグルトなどの発酵食品や野菜はもう摂っています、という場合でもいまいちお通じが悪い……。ということがありませんか?実は穀物に入っている食物繊維は腸内細菌のエサになって腸を整えるのに効果大です。特にもち麦、大豆は善玉菌のエサになる水溶性、腸を刺激する不溶性とどちらも食物繊維がバランス良く摂れるのでおすすめです。
トラネキサム酸と一緒に使うと効果アップ!他にもある美白成分
最近はひたすらトラネキサム酸とアルコルビン酸とビタミンCをサプリで摂取して肌の調子を整えてます。
— ユウ (@149cm_u) 2019年7月7日
トラネキサム酸は、シミをつくる情報自体をブロックする種類の美白成分。同じような作用をするものとしてハーブ由来のカモミラETなどは有名です。
それではすでにシミができてしまっている場合はどうするかというと、以下のような美白成分も併用して使ってみましょう。シミが薄くなった、肌に透明感が出たという声も聞かれます。
- ビタミンC誘導体……活性酸素の除去、シミの沈着防止にビタミンCを活性化したもの
- アルブチン……コケモモなどの植物由来。メラニン色素の合成をふせぐ
- プラセンタエキス……動物の胎盤から抽出。肌細胞を作るなど代謝を上げる
- コウジ酸……米麹から抽出。メラニンの生成をふせぐ
- エラグ酸……イチゴなどから抽出。美白成分ハイドロキノンと同じような効果を持つ
一日も早く美白肌に近づきたい。トラネキサム酸を使用するうえでのQ&A
トラネキサム酸は体への安全度も高いようで、期待が持てます。しかし手に入れるにはどうしたら?という疑問他、飲み方の注意点などはチェックしておいたほうが良いようです。
トラネキサム酸はどこで手に入るの?
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クリームやサプリ、内服薬として購入できます。大手化粧品メーカーでは、化粧水、美容液といったスキンケアアイテム配合し、シリーズ化して発売しています。先駆けてトラネキサム酸開発をした資生堂では、シミ予防に特化した成分として「m-トラネキサム酸」という名称を用いているほど。他、L-システイン、ビタミンCと配合されたサプリもドラッグストアで購入可能です。また皮膚炎などをのぞき、病院での肝斑治療で処方されるトラネキサム酸錠剤などは保険適応対象にはなりません。
トラネキサム酸優秀すぎて箱買いしたいレベル。
— ミオ (@Tmio4631) 2019年7月9日
美白効果はどれくらいで出てくるの?
シミの種類によって違いがあります。肝斑などで使う内服薬では、2~4ヵ月ほど継続して続けた結果、見た目にも効果ありと感じることが多いそう。クリームなどに含まれるトラネキサム酸の美白効果については、まだはっきりと結果が実証されている訳ではないのが事実。それでもこのほど、トラネキサム酸が2%配合されたクリームを3ヵ月間塗った結果、23名中22名が肝斑が改善したという報告もあります。
(参考サイト:美白有効成分「トラネキサム酸」/肌のクリニック)
使用するうえでの注意点などはある?
血栓症などの病気がある方は飲むのを控えましょう。トラネキサム酸は、副作用がある例もまれで、出ても吐き気、食欲不振といった症状です。それでも血を止める作用があることから、血液が固まりやすい、血栓がおきやすいといった症状が認められる方は飲まないほうが安心です。またピルや喫煙も血流を悪くするため、トラネキサム酸のサプリなどはNGという説もありますが、副作用が起きる率は非常に低いもの。併用して使えますが、念のため医師に相談することをおすすめします。
(参考サイト:聖心美容クリニックQ&A)
コンシーラーいらずの白い肌になりたい!トラネキサム酸を取り入れてナチュラル&綺麗を目指す
シミの素を作らない、というトラネキサム酸はとても画期的で、肌にかかる負担が少ない美白成分ということが分かりました。なんでも一昔前まで、肝斑などのシミは改善策がないと言われてきました。また紫外線によるシミ対策も、日焼け止めを塗ることで食い止めるという方法が主流だったようです。今では他の美白成分と組み合わせて、シミを作らせない&浮き上がらせて、外に流すという効率の良いシミ対策ができます。トラネキサム酸の力を借りて、肌の奥で眠っているシミの根までクリアにしていきましょう!