ハイドロキノンはシミ消しだけじゃない?シミ予防もできるWの美白効果
ハイドロキノンといえばシミ消し効果があることで有名ですが、実はもうひとつ、シミを防ぐ働きもあります。美白ケアで今あるシミを薄くできても、紫外線は毎日降り注いでいます。シミ予防ケアなしでは、また新たなシミができてしまうのです。
その点、ハイドロキノンは「シミを薄くする」と「シミを予防する」の両方のケアが可能。まっさらな白肌を手に入れたい人にとって、ハイドロキノンはとてもうれしい成分といえるでしょう。
さて、この優れた美白効果を持つハイドロキノンは、何やら最新の科学から生まれた成分のように思えませんか?実はハイドロキノンは私たちのとても身近なところにあります。多くの人が毎日飲んでいるコーヒーやイチゴなどにも含まれている天然成分なんですよ。
もともとは写真の現像に使う薬剤でしたが、現像をする人たちの手がとても白いことから、美白効果が研究されるようになったようです。
ハイドロキノンでシミが消えるって本当?噂のシミ消し効果を初歩から解説
ハイドロキノンはよく「シミ消し成分」と呼ばれていますが、正確には「消す」のではなく「薄くする」ことが期待できる成分です。ただ、ほとんどの美白成分は「シミの予防」に特化しており、「シミを薄くする」効果を持つ成分は、ほぼハイドロキノンだけ、という状態です。
では、実際にどんなふうにシミにアプローチできるのでしょうか?その美白効果をわかりやすく解説していきます。
ハイドロキノンはシミの色素を還元できる
ハイドロキノンが「シミ消し成分」と呼ばれる理由は、その還元力にあります。「還元」というと少し難しく聞こえるかもしれませんが、わかりやすくいうと「元の状態に戻す」といった意味になります。
シミのもととして知られるメラニンは初めから黒いわけではなく、もともとは無色です。ところが紫外線ダメージなどによってメラノサイトが活性化すると、透明だったメラニンは徐々に黒く変色してしまうのです。
ハイドロキノンはこのメラニンの黒い色素を還元するので、結果としてシミを薄くできる、と考えられています。消しゴムのように根こそぎ消し去ることは難しいですが、ハイドロキノンは皮膚科でのシミ治療にも使われており、高い還元力が期待されています。
ハイドロキノンのシミ予防効果はアルブチンの約100倍
シミ消し効果ばかりが注目されやすいハイドロキノンですが、「シミ予防」効果も高く期待できます。
私たちの肌は紫外線や摩擦などの刺激を受けると、「チロシナーゼ」という酵素をたくさん作りだします。するとアミノ酸の一種である「チロシン」がこのチロシナーゼ酵素と結びつき、「ドーパ」「ドーパキノン」と変身しながら黒色メラニンへと姿を変えていきます。
ハイドロキノンは、このメラニンが作られる過程で重要な役割を果たすチロシナーゼ酵素の働きを阻害します。チロシナーゼ酵素の協力なくして黒色メラニンは作られないので、シミができにくくなるというわけです。
このシミ予防効果のある美白成分として有名なのが「アルブチン」ですが、ハイドロキノンのシミ予防効果はアルブチンの約100倍ともいわれています。今あるシミのケアだけではなく、「もうこれ以上シミを増やしたくない」という人にもおすすめできるのがハイドロキノンです。
シミが薄くなる目安はおよそ3ヶ月。あせらずじっくりケアしよう
ハイドロキノンを使うにあたって、もっとも気になるのが「いつシミが薄くなるのか」ということですよね。どのぐらい使ったら薄くなるのかは、シミの状態や肌の状態にもよるので、残念ながら「いつ薄くなります」ということは言えません。
ただ、ひとつの目安として、「まずは3ヶ月」あせらずにじっくりと使っていきたいところです。調査した限りでは、「ハイドロキノンでシミが薄くなった」と感じている人は、おおよそ3カ月~6ヶ月ぐらいの間でなんらかの違いを感じているようです。
大きなシミや何年も前からある濃いシミなどはより時間がかかりやすい傾向があります。そのため、「1本使ってもシミに変化がみられない」ことも少なくありません。
ハイドロキノン配合の化粧品を手に入れると、「今日は薄くなったかな?」と期待してしまうものですが、数日で薄くなる、といった急激な変化は期待しないほうがいいでしょう。購入する時は数カ月使い続けられる価格のものを選ぶのがおすすめです。
ハイドロキノンを使ってみてどうだった?口コミ調査!
実際にハイドロキノンを使った人はどんな感想だったのでしょうか?口コミを調査してみました。
(出典:ビーグレン)
(出典:アンプルール)
(出典:アンプルール)
(出典:ビーグレン)
(出典:アンプルール)
効果を感じるまでの期間はさまざまですが、少しずつ肌が明るくなるのを実感しているようですね。肌全体が暗く見える「くすみ」は比較的ケアしやすいようですが、「シミ」となるとある程度の長期戦の覚悟が必要です。ハイドロキノン化粧品を1本使って効果を感じられなくても、あきらめずに使い続けたいものです。
知らないと後悔するかも?ハイドロキノンの注意点6つ
高いシミ消し効果が期待できるハイドロキノンですが、効果が高いぶん、取り扱いや使い方にも注意が必要です。安全に正しく使うために、以下の6つをぜひ覚えておいてください。
劣化しやすい
ハイドロキノンは酸素や光の影響を受けやすく、劣化しやすい成分です。いったん開封してしまうと酸素や光に触れ、どんどん劣化してしまいます。
また、保存は冷暗所が原則です。最近では常温保存できるものも開発されていますが、基本的にハイドロキノンは冷蔵庫などで保存するものです。
冷蔵が必要なハイドロキノンを室内に放置し、「高いクリームだから」とケチって使っているうちに、劣化して黄色く変色し、肌に刺激を与えてしまうこともあります。保存方法や開封後の使用期限などは必ず説明書を読んで守りましょう。
濃度が高いほど刺激が強い
少しでも早くシミを薄くしたいから、なるべく効果が高いものを……と思う気持ちはわかりますが、ハイドロキノンは肌に刺激を与えやすい成分です。濃度が高いと、それだけ肌に刺激を与える可能性も高くなります。
何も考えずに高濃度のものを購入して、顔全体に塗ったら真っ赤にかぶれてしまい、治るまでに何カ月もかかった、という話もあります。
これからハイドロキノンを使おうと思っている人は、濃度にも注目して選びましょう。日本では化粧品に配合できる濃度は2%までとされています。日本の基準では2%以下ならそれほど強い刺激はないだろう、と考えられているのです。
シミだけに部分的に使う場合も、顔全体に使う場合も、最初は1~2%程度の低濃度のもので始めるのがおすすめです。中には濃度5%のものやもっと高いものもありますが、このレベルになると肌への負担も少なくないと思ったほうがいいでしょう。
塗る順番も大事
ハイドロキノンが配合されている化粧品には、美容液やクリームなどがあります。使う順番は説明書を守ることが原則ですが、書いていない場合やなるべく刺激を抑えたい人は、洗顔直後の肌に使うのではなく、化粧水などで肌を整えてからのほうがいいでしょう。
洗顔直後の肌は水分を失った状態なので、ハイドロキノンの吸収率も高まってしまうことが考えられます。しっかりと水分を補給し、保湿ケアを済ませてからハイドロキノンを使った方が刺激を抑えやすくなります。
なお、製品によっては洗顔直後に使うものや、クリームの後に使うものもあります。説明書がある場合はそちらを守るようにしましょう。
人によっては合わないこともある
ハイドロキノンはすべての人に使える成分ではありません。中には少量でも赤みやかゆみが出てしまう人もいます。このような症状が出た場合、無理に使い続けてはいけません。異常を感じたらすぐに中止し、皮膚科を受診するようにしましょう。
長期連用は危険
保湿化粧水などは毎日欠かさずに使いたいものですが、ハイドロキノンは違います。肌への刺激が強いので時折肌の休息期間を与えることも必要です。
目安として、毎日使い続けられるのは3ヶ月までと考えましょう。3ヶ月使ったら1ヶ月休み、また3ヶ月使ったら1ヶ月休む、というサイクルで使っていくと安全性が高まります。
紫外線でシミが濃くなることも
シミ予防効果があるハイドロキノンですが、実は紫外線の影響を受けやすい成分です。ハイドロキノンを塗って日光に当たると、かえってシミが濃くなってしまう危険性があります。
まれに朝も使えるハイドロキノン配合化粧品もありますが、基本的には紫外線の影響を受けにくい夜に使うのがおすすめです。
また、美白ケアをしているからといって、日焼け止めをおろそかにしてはいけません。ハイドロキノンを使っているからこそ、紫外線カットは大切なのです。
ハイドロキノンには3種類ある!似ているようで似ていない美白効果
ハイドロキノンには3種類あります。どれも「ハイドロキノン」と書いてあれば同じように見えるかもしれませんが、実はこの3つは大きな違いがあります。化粧品を選ぶ時は、それぞれの特徴を理解して自分にもっとも合ったものを選びましょう。
純ハイドロキノン
もともと「ハイドロキノン」といったら、こちらの「純ハイドロキノン」のことでした。不純物が入っていない純度100%のハイドロキノンで、高いシミ消し効果も期待できます。
しかし熱や温度、酸素などの影響で劣化しやすく、肌に刺激になりやすいという弱点があります。敏感肌の人は避けたほうがいいでしょう。
安定型ハイドロキノン
ハイドロキノンの弱点である「劣化しやすさ」「刺激性」を軽減した、新しいハイドロキノンです。保湿成分や酸化を防ぐ成分などが加えられており、品質の安定性を高めるとともに、肌への刺激も抑えられています。
しかしその分シミ消し効果も低いといわれており、同じ配合濃度であれば純ハイドロキノンの方が高いシミ消し効果を期待できます。
ハイドロキノン誘導体
まぎらわしい名前ですが、シミ消し効果を期待できるハイドロキノンとは別のものです。ハイドロキノン誘導体はハイドロキノンにブドウ糖をまぜて作られたもので、「α-アルブチン」とも呼ばれています。
高いシミ予防効果があり敏感肌の人でも使えるほど低刺激なのが特徴で、多くの美白化粧品に配合されています。ただ、このシミ予防効果もハイドロキノンほどではなく、ハイドロキノン誘導体(α-アルブチン)のシミ予防効果はハイドロキノンの10分の1ほどと考えられています。
ハイドロキノンと他の美白成分はどう違う?美白効果対決!
巷には多くの美白化粧品があふれていますが、ほとんどの美白成分は「シミ予防」に特化しているのに対し、ハイドロキノンはできてしまったシミにも、将来のシミにもアプローチできるとても珍しい美白成分です。
ここでは、代表的な4つの美白成分とハイドロキノンを比較してみましょう。
ハイドロキノン VS ビタミンC誘導体
- メラニン還元効果……△
- シミ予防効果……〇
ビタミンC誘導体は、ハイドロキノンと同様、メラニン還元効果とシミ予防効果のどちらも併せ持つ成分です。ただ、メラニン還元力はハイドロキノンと比較するとかなり低く、できてしまったシミを消したい人にはやや頼りないところがあります。
一方で高い美肌効果があり、皮脂が過剰に分泌されるのを抑えたり、肌にハリと弾力を与えたり、新陳代謝を整えたりと、トータルな美肌作りに役立ちます。
ハイドロキノン VS アルブチン
- メラニン還元効果……×
- シミ予防効果……〇
アルブチンには「α-アルブチン」と「β-アルブチン」の2種類があり、どちらもシミ予防効果がある成分です。メラニン色素の合成に欠かせないチロシナーゼ酵素を阻害します。
「α-アルブチン」は「ハイドロキノン誘導体」とも呼ばれ、高いシミ予防効果を持つといわれますが、ハイドロキノンと比較するとその効果はおよそ10分の1ほど。「β-アルブチン」のシミ予防効果は「α-アルブチン」のさらに10分の1程度です。
ハイドロキノン VS トラネキサム酸
- メラニン還元効果……×
- シミ予防効果……〇
できてしまったシミへの効果はありませんが、シミ予防に期待できる成分です。紫外線を浴びたときなどに出される「メラニンを作りなさい」という情報伝達物質を阻害するので、メラニンの生成を抑えることができます。
ハイドロキノンにはこの情報伝達物質を阻害する働きはないので、より早い段階でのシミ予防ができます。
ハイドロキノン VS カモミラET
- メラニン還元効果……×
- シミ予防効果……〇
ハーブティーなどでおなじみのカモミールの花から作られる成分です。メラニンを合成する時はメラノサイトに「メラニンを作りなさい」という命令が伝えられますが、この情報伝達物質のひとつ「エンドセリン-1」を阻害して、命令が伝わるのを阻害します。
これはハイドロキノンにはない働きで、日焼けをしてしまってもカモミラETでケアをすることでシミになるのを防ぐことができるといわれています。
圧倒的美白効果を持つハイドロキノンは安全性を重視しよう
できてしまったシミを薄くしできるばかりでなく、シミが増えるのを防いでくれるハイドロキノンはまっさらな白肌にあこがれる女性たちの大きな希望。
今までファンデを厚塗りしたり、肌がコンプレックスだったりした人は「ハイドロキノンなら!」と望みを託したくなりますよね。
でも、効果が高い一方で、肌への刺激も強めなのがハイドロキノンのデメリットです。高濃度や価格にこだわるのではなく、安全性を重視した選び方をしましょう。