「肌断食(はだだんじき)」という美容法をご存知でしょうか? 「肌断食」とは、文字どおり肌に何も与えず(ノースキンケア・ノーメイクで)肌本来の機能を回復させる美容法です。「最近、肌のゴワつきやキメの荒さが気になる…」そんなあなたは「肌断食」で肌のターンオーバーを正常化させてみては?
編集部がオススメするのは上級者向けの本格的な肌断食ではなく、初心者でもトライしやすいソフトな肌断食。少しずつ・無理せず、肌をいたわりながら、肌本来の美しさを取り戻しましょう!
肌断食とはスキンケアとメイクをやめて肌を休ませること。肌本来のキメが整ったふっくら肌を取り戻そう。
肌がゴワついたり、キメが荒くなっているのは 肌のターンオーバーが乱れているから。肌のターンオーバーが乱れると、本来は最短で28日程度ではがれおちる 不要な角質が肌の上に残った状態なので、肌の透明感がなくなったり、スキンケアの浸透(※角層まで)が悪くなったりするのです。
ターンオーバーが乱れている原因が、肌にあっていない過剰なスキンケアや化粧品の成分、過剰なクレンジングや摩擦などによるものであれば、スキンケアやメイクをやめて、肌を休ませてあげましょう。そうすることによって肌本来の機能をよみがえらせ、肌質の改善をめざすのが、今回ご紹介する「肌断食」です。
乱れていた肌のバリア機能が本来の力を取り戻すと、乾燥や刺激に強くなり、肌のターンオーバーも促されて正常化するので、ゴワつきやキメが整って、ふっくら若わかしい健康的な肌を取り戻すことができます。
肌断食で「肌本来の機能・美しさ」を回復させる9つの方法。自分にあった方法で、まずはできる範囲から挑戦してみて!
肌断食には、初心者向けから上級者向けまで、やり方がいくつかあります。ご自身の肌やライフスタイルにあった方法を選んで取り組んでみてください。決められた期間はありませんので、ご自身で期間を設定し、もし肌に異変を感じたらすぐにストップするようにしてくださいね。
肌断食の方法①上級者向け!「一切のスキンケア・メイクを断つ」
ぬるま湯を使って洗顔するだけのケアです。洗顔後のスキンケアも基本的にはおこないません。皮脂汚れが気になるときは無添加の純石けん(合成の界面活性剤を含まず、「脂肪酸ナトリウム」や「脂肪酸カリウム」などの石せん素地が98%以上を占める石けん)をしっかりと泡立て、肌に手が直接触れないように意識して洗います。乾燥が気になるときは「白色ワセリン」を少量だけつけます。メイクはしません。
※「白色ワセリン」についてはこの後の④でご説明します。
この方法はハードなぶん、肌質の改善がわかりやすいやり方ですが、乾燥で肌があれることもありますので、こまめに水分を摂取したり(内側からの保湿)、室内の湿度を調整したりして(環境的な保湿)、スキンケア以外で肌の乾燥対策をおこないます。
この方法で肌断食をする場合は、専門家や医師の管理下でおこなうようにしてください。
肌断食の方法②「スキンケアのアイテム数を減らす」
②以降は初心者でも挑戦しやすい肌断食の方法で、編集部としてもオススメのやり方です。仕事などの都合で「メイクをしないわけにはいかない」という方にも取り入れやすい方法だと思います。
②の方法はスキンケアのアイテム数を徐々に減らしていくやり方で、減らす順番は以下のとおりです。徐々に減らしていくやり方なので、肌トラブルが起きにくいのがメリットです。
減らしていくスキンケアアイテムの順番
- 朝の洗顔料をやめてぬるま湯だけで洗顔する
- クリームをやめる
- 乳液をやめる
- 美容液をやめる
- 化粧水をやめる
お湯での洗顔は、30〜35℃くらいの、手で触って少しぬるいなと感じるくらいのお湯をたっぷり使って洗い流すのみです。余分な皮脂や、ホコリは十分に落とせます。冷たい水だと脂汚れが落ちにくく、熱いお湯だと「天然のクリーム」である必要な皮脂まで流れてしまうので、ぬるま湯での洗顔にしましょう。
肌断食の方法③「スキンケアは最低限のものだけつける」
オールインワンタイプなど最低限のスキンケアのみ使う方法です。高保湿で「効能評価試験済み」という記載があるアイテムがオススメですよ。1つのアイテムをていねいに塗るだけなので、ふだんのスキンケアと比べると時短にもなりますね。
「効能評価試験済み」とは、日本香粧品学会が平成18年に公表した「化粧品機能評価法ガイドライン」に基づく評価試験を専門的な第三者機関で行い、「乾燥による小ジワを目立たなくする効果」が確認されたことを意味します。この試験で効果が確認された製品のみ「乾燥による小じわを目立たなくする」と表記することが認められています。
編集部オススメの「オールインワンアイテム」は「iminiリペアセラム」。乾燥小じわを目立たなくする効能評価試験済みで、1本で化粧水・保湿乳液・パック・導入液・栄養クリーム・エイジングケア美容液・ブライトニング美容液・ソフニング美容液・毛穴美容液・目元用美容液・マッサージクリーム・化粧下地・デコルテトリートメントの1本13役を担ってくれますよ。
肌断食の方法④「スキンケアの成分をシンプルなものにチェンジする」
たとえば化粧水は高機能なものではなく、保湿のみを目的としたアイテムに変えたり、「白色ワセリン」で肌表面を保護するだけにしたりするなど、シンプルな成分のスキンケアにチェンジする方法で、過剰なスキンケアや化粧品の成分による負担を減らすことにより肌を休ませることができます。
白色ワセリンの使い方
- 常温では固形状の硬めなバームなので、まずは手のひらにごく少量をとって、体温で少し温めます。
- 手のひらを使ってハンドプレスするように(肌を動かさないように、手のひらをそっと押しあてるようにして)、ごく薄くつけるのがコツです。
- 少量を手にとって体温で温め、別の場所にハンドプレスしてつけることを繰り返します。
- ベタつきが気になる場合は、ティッシュでおさえます。ティッシュで肌をこすらないように気をつけてくださいね。
ワセリンは油分なので、紫外線によって酸化し、油焼けを起こす可能性があります。シミや色素沈着の原因になります。外出するときや日当たりの良い室内にいるときは「日焼け止め」も必ずつけてくださいね。
「ワセリン」は石油を精製した保湿剤です。淡い黄色のタイプのものは精製度がやや低いため、石油由来の不純物が多く含まれています。精製度を高めて、できるだけ不純物を取り除いたのが「白色ワセリン」です。肌断食の際は、こうした比較的純度の高い「白色ワセリン」を選ぶようにしてくださいね。ドラッグストアなどで手軽に購入可能です。
肌断食の方法⑤「ナチュラルメイクにする」
ふだんのメイクより少なく、薄く塗り、ナチュラルなメイクにする方法です。ファンデーションはクリームやリキッドタイプよりパウダーファンデーションやフェイスパウダーの方が肌への負担は少なくなりますよ。
編集部オススメの「フェイスパウダー」はランキング記事で詳しくチェック!
肌断食の方法⑥「石けんやお湯で落とせるメイクにする」
メイク以上に肌に負担がかかるのは「クレンジング」です。界面活性剤が肌に必要なうるおいまで落としてしまい、肌のバリア機能が低下する原因になっているかもしれません。
洗浄力がマイルドなクレンジングに変えるか、石けんで落とせるミネラル系のファンデーションに変えたり、お湯で落ちるタイプのポイントメイクに変えたりするのが⑥の方法です。石けんだけでメイクをオフできれば、必要以上に洗浄しなくてよいので乾燥対策にもなります。
あわせて、お風呂にゆっくりつかって、しっかり汗をかくようにすると、毛穴に溜まった汚れや角栓を自然と除去しやすくなります。心と体をリラックスさせるためにもバスタイムを有効に活用しましょう♪
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肌断食の方法⑦「メイクをやめる」
可能であれば、メイク自体もやめてみる方法を取り入れてみましょう。メイクやクレンジング・洗顔料による肌への負担を減らすことで、肌への摩擦や乾燥も防げます。
肌断食の方法⑧「休日だけ肌断食をおこなう」
②〜⑦を休日だけおこなう方法です。肌を休めながら心も休める時間にすることで、肌あれしにくい肌環境をつくることができます。家でゆっくりすごして、日常のストレスや緊張から離れてリフレッシュしましょう。
肌断食の方法⑨「夜だけ肌断食をおこなう」
②〜④を夜だけおこなう方法です。眠っているあいだに肌の再生がおこなわれるので、夜だけの肌断食でも肌本来の力が引き出されやすくなります。
夜、メイクを落として洗顔をしたら、スキンケアをせずに眠ります。翌朝はできれば、ぬるま湯洗顔か、無添加の石けんでの洗顔にできるとベストですが、ふだん使っている洗顔料での洗顔でもOKです。洗顔後は普段どおりのスキンケアとメイクをします。
スキンケアもアイテムを減らしたり最低限のアイテムだけにしたり、メイクもナチュラルにしたり石けんやお湯で落とせるタイプにしたり、徐々に肌への負担を減らしていけるといいですね。
敏感肌やアトピーなどの皮膚疾患がある方は肌の状態が悪化するおそれがあります。肌断食をする場合は必ず皮膚科医に相談の上でおこなってくださいね。
【肌断食の注意点】それ絶対ダメ! 肌状態を悪化させてしまうNG事項
肌断食中は肌が無防備な状態です。いつも以上にていねいに、かつ慎重に肌を守ってあげる必要があります。
肌断食の注意点① 紫外線対策を怠らない! 編集部オススメの肌にやさしい日焼け止めを紹介
紫外線は乾燥やシミ、シワ、たるみなどの肌トラブルの原因になってしまいます。肌断食中に外出するときや、日当たりの良い室内にいるときは、必ず日焼け止めを塗りましょう。日焼け止めは石けんやお湯で落とせるものをチョイス! クレンジングを使うと肌が乾燥してしまいます。
また、日焼け止めには紫外線防止剤として「紫外線吸収剤」や「紫外線散乱剤」が配合されていますが、紫外線を反射させ散乱させる「紫外線散乱剤」を使用しているもの(一般的に「ノンケミカル」と呼ばれるもの)を選びましょう 。白浮きしやすいというデメリットはありますが、肌をいたわりながら日焼け対策をすることができます。
一方の「紫外線吸収剤」はUV効果は高いのですが、紫外線を吸収して、熱や赤外線などのエネルギーに変化させて放出する際の化学反応が肌にとって負担や刺激になってしまう方がいるため、肌断食中は避けた方が無難です。
HANA ORGANIC/えそらフォレスト「ウェアルーUV」
紫外線吸収剤不使用/SPF30・PA++
日焼け止めだけでなく、化粧下地、美容液、ライトファンデーションの4役をこなす美容液UVベースです。石油系由来成分不使用、石けんで落とせるので日常使いに便利な日焼け止めミルクです
「日焼け止め」はランキング記事で詳しくチェック!
肌断食中は紫外線吸収剤不使用でノンケミカル、石けんで落ちるタイプがオススメです。
帽子や日傘、アームカバーなどで物理的な日焼け対策もあわせておこなうといいですね! 必要以上に高機能な日焼け止めは肌への負担が大きくなりがちなので、日常生活での日焼け止めは、SPF20〜25、PA++くらいあればOKです。
肌断食の注意点② なるべく肌に触れない! 摩擦を回避して肌をいたわりましょう
スキンケアやメイクのアイテムをたくさん使えば使うほど、必要以上に肌をこすったりたたいたりして肌を傷めている可能性があります。肌のバリア機能を落とさないために、洗顔時も含め、肌への摩擦を減らし、顔を触ったりこすったりするタイミングや回数を減らすことを心がけましょう。
肌断食の注意点③ 「好転反応」に注意! 異変を感じたら、すぐに終了!
「好転反応」とは肌が本来の機能を取り戻す前の一時的な肌トラブルのことで、肌断食をすると、乾燥による皮めくれや、ニキビなどの肌荒れの悪化、毛穴の開きや角栓、黒ずみなどが起きる場合があります。少しずつ肌の機能が回復すれば治っていくのですが、かゆみや赤みなどの状況が4〜5日間続いて悪化し「肌にあっていないのかも?」と異変を感じたら、「好転反応かも?」と決して楽観視せず、すぐに肌断食を中止して医師の診断を受けましょう。
正しい肌断食を慎重におこない、本来の健康な肌を取り戻しましょう。
肌断食の効果を感じた方は、ふだんのスキンケアやメイクが肌にあっておらず、負担になっていたのかも。「自分の肌と向き合い、毎日のケアを見直すことができる機会」ととらえるとよいかもしれませんね。
肌断食は自分の肌の調子を見極めながら、くれぐれも慎重におこなうことを約束してくださいね。 正しい肌断食で肌本来の機能を回復させ、健やかでキメの整ったふっくら美肌を取り戻しましょう!
肌断食Q&A
肌断食の効果は、肌質やホルモンバランスなどによる個人差が大きいものです。
肌断食をしたのに変化がないんですが…?
それはきちんと自分の肌にあったケアをしているからです。これまでどおりのケアをおこなってください。
肌断食をして変化があったんですが、続けた方がいい…?
肌断食の期間に決まりはありませんが、肌断食は肌が乾燥しやすくなりますので、あまり長期で継続することはオススメしません。肌にあっていない過剰なスキンケアや化粧品の成分、過剰なクレンジングや摩擦など、ふだんのケアが肌に負担をかけてることが実感できたら、顔を触ったりこすったりするタイミングや回数を減らすことを心がけながら、肌にあったお手入れをしましょう。